可愛いお客様


鎌倉の近藤です。本日のお昼は可愛いお客様がご来店。

3歳になる彼女はいつものお母さんとおばあちゃんと一緒に月に一度当店にお越し下さいます。

彼女は当店のミニ懐石を「美味しいね」と言ってほぼ一人前ペロッと召し上がります。

当方は彼女の為にあえて子供用に仕立てたりは致しません。あえて言うなら

彼女のお口の大きさに合わせて少し小降りに切る程度。味は大人と一緒です。

今日も聖護院かぶらの風呂吹きや八寸の慈姑、スモークサーモンの砧巻、ホタテの柚子釜焼きなど美味しそうに召し上がって頂きました。

恐るべしは慈姑などという食材は少し苦味があって子供が苦手とするもんですが、

彼女はその苦味の奥にある旨味に美味しいと言ってくれるいう事です。

お母さんは彼女が当店の懐石料理が大好きで鎌倉に行こうと言うそうです。

ありがたいですね〜。料理人冥利につきるお言葉。これからも彼女に敬意を表して一生懸命お作りいたします。

大人は彼女の食べる姿を見てえらいね〜と言います。

でも本当に偉いのは、お母さんとおばあちゃんです。

お母さんとおばあちゃんはいつも好き嫌いなく、召し上がります。

そしてお料理が出るたびに「美味しそう」や「柚子のいい香り」など彼女に話しかけておられます。

子供は大人よりはるかに味覚が敏感です。そしていろんな物を食べる経験値によって将来の味覚が形成されていきます。3歳の彼女はまさにその時期なのです。

大人の固定概念で子供やからこんなん食べへんやろとか決めつけたらいかんのです。

子供は初めて食べるもんに興味があるはずです。そこに大人の固定概念を押し付ける事は将来の食べず嫌いを作るだけです。

このお母さんとおばあちゃんの様になんでも食べさせてあげる。更に「美味しそう」や「いい香り」など食に対して良いイメージを与えることが大切であると思います。そしてほんまもんを食べさす事が大切です。

これからもこの小さな常連さんの為にほんまもんを作っていかねばならんと決意する近藤でした。